ルネ・ラリック

みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。ルネ・ラリックはご存知でしょうか。

ルネ・ラリックといえば、ガラスです。繊細な香水瓶や花瓶に壺…。

色鮮やかな作品を得意とするエミール・ガレとは好対照を成し、共に人気の高いガラス作家の一人です。それを知るには手っ取り早く鑑賞するに限ります。

箱根ラリック美術館」に多くの作品が所蔵されているのですが、優美で有機的な曲線に彩られたアール・ヌーヴォージュエリーは見ていて心が躍ります。ジュエリーと言えば宝石がたくさんでキラキラしているというイメージを覆す、所謂モダン・ジュエリーの先駆けと言われる独創的なものを多くデザインしています。

女性、動植物や昆虫といった自然の形態をそのままデザインに生かし、ジュエリーという小さなキャンバスに空間と動きを生み出し、宝石以外の素材を積極的に取り入れた…これだけでもラリックの凄さの一端がわかると思います。

しかし、ラリックの魅力はそれだけではないのです。ちょっと変わった物を見に着けたいわ!というパリの貴婦人達の声に応えるかのような、独創的なものも作っています。例えば「胸飾り『蜻蛉の精』」。

胸から上は女性の姿ですが、腕や下半身はなんと蜻蛉の形をしています。

一見、遠くから見たら冴えた緑が美しい蜻蛉だと思うでしょう。

でも近づいてみると、実は妖精だった、なんて心憎い演出です。色などはとても装飾的でありながら、女性や蜻蛉の造形にはとても忠実なので、なんだか不思議な感じもします。一体どんな服に飾ったらいいのでしょう。

皆さんは、どんな洋服にこれをつけてみたいですか?ラリックのデザインするジュエリーは、一緒に着る洋服までも想像して見てみると楽しさ倍増です。

優美で繊細なラリックのジュエリーの数々、機会があったら是非鑑賞してみてください。

それではまた。阿加井秀樹です。