「万引き家族」

みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

 

今回ご紹介していく作品はこちら

 

万引き家族

万引き家族

 

カンヌ国際映画祭パルムドール。そして興行収入約45億円。世界の評価も国内の興収もどっちも高い作品です。

 

もちろん内容がすばらしかったから賞は獲れたと思いますし、当初のタイトルからこの「万引き家族」にした方、相当の策士だと思います。実際にネットでも問題になりましたし、気になって観にいった人も多いでしょう。

 

作品の内容としては都会のビル群に挟まれた小さな家で、万引きなどを繰り返して生活を切り盛りする家族が、貧しいながらも笑顔の耐えない幸せな日々を過ごす姿と、それとは相反して訪れる厳しい現実を血の繋がりを超えた絆とともに描いた作品です。

 

血の繋がらない家族がジメジメした暗い部屋で、笑顔を寄せて食卓を囲む姿、そしてあることをきっかけに突き刺さる現実。そんな辛さを見せながらもかすかな希望を優しい筆致で語られる物語に、見終わった後のなんとも言えない感覚は今でも残ります。

 

絆とは何か、家族とは何かを、細部にまでこだわった演出、物語にそっと彩を加える音楽、徐々に真実を明らかにしていく緻密な脚本、そして役者陣の卓越した演技によって、賞を獲るべくために作り上げられた作品であると感じます。

 

それではまた。

阿加井秀樹