「犬猿」
みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。
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「犬猿」
誰もが理想とする容姿端麗、才色兼備、勇猛果敢、無私無欲。なぜかそれを兄弟姉妹で分け合ってしまった2組=仲良くすれば無敵の存在のはずの2組が、相手に対して抱く憧れや羨望、嫉妬や憎悪からくる、小さな口論が積み重なり、やがて大きな取っ組み合いのけんかになっていく過程の中で、細かな笑いを散りばめ、時に激しく時に柔らかく、血の繋がったたった一人の兄弟姉妹がどれだけ愛おしい存在なのか、どれだけ尊い者なのかというのを、ラストに持ってくることでハートフルにさせてくれる良作映画となっています。
最大の理解者だけど、それが逆に鬱陶しく、ああはなりたくないけれど時々羨ましく思ったり、関わりたくない事もあるけれどそうはいかない存在。切っても切れない間柄で生まれた嫉妬とないものねだり、それが実は憧れであり尊敬のまなざしであり、そんなこと面と向かって言えないこっぱずかしさを持ちながら愛憎を繰り返す、醜くも美しい兄弟の物語を堪能できる作品でした。
兄弟がいる方にとっては共感できる部分が多くあるのではないかと思います。親近感を抱いて観れるでしょう。
終盤にウルッとくる場面もありますが、全体的にコメディ要素が多く、非常に楽しめる作品となっています。
それではまた。
阿加井秀樹