阿加井秀樹がおすすめする名作「パパが遺した物語」
みなさんこんにちは。
阿加井秀樹です。
今回ご紹介する作品はパパが遺した物語という作品です。
この物語は1989年、ヒロインの父親で小説家のジェイクは自身が起こした交通事故により同乗していた妻を亡くし、
自身も入院する場面より始まります。
退院したジェイクは、しばらく義姉のエリザベスに預けていた7歳の愛娘でヒロインのケイティに、ずっと一緒だと約束する。
だが、ジェイクもまた事故の後遺症で発作に苦しむようになっていたのです。
エリザベス夫婦はこれを危ぶみ養女としてケイティを預かろうと養育権を取る訴えを起こすが、ジェイクは頑なに拒み、娘のために小説執筆に没頭します。
酷評された第1作をものともせず、3ヶ月で第2作である、父と娘を書き上げると、時を同じくして、エリザベスの夫に浮気が発覚し訴えを取り下げたとの知らせが入るのです。
ケイティとの平穏な時間を取り戻したジェイクであったが、
バスルームで発作が起きた際に転倒し頭を打って死んでしまうのです。
遺作である父と娘はピューリッツァー賞に選ばれるが、
残されたケイティは、夫と別れたエリザベスに引き取られることとなるのです。
それから25年後、過去のショックから人をうまく愛せなくなっていたケイティだったが、父の遺作を敬愛する作家志望のキャメロンに惹かれます。
キャメロンとの出会いをきっかけに、
自らを傷付けるような不安定な生き方を変えようとするのです。
しかし、日常ではカウンセラーとして自閉する少女ルーシーの心を開いた彼女も、
自らの寂しさゆえのセックス依存を止めることはできず、
自分自身は悲しみを忘れられず、涙を流しながらバーで知り合った男に体を委ねたのです。
裏切りだと激怒したキャメロンに別れを告げられたケイティは希望を失い塞ぎ込んだ日々を送るが、最後まで娘の幸せのみを望んだ父の気持ちに応えるべく、
再度、正面からキャメロンと向き合う決意を固めるのです。
自分自身もどのような生き方が正しいのか、
悲しみの中ではなにも分からないと同情するも、
ケイティはどうやって生きていくのか、
一人のヒューマンドラマが哀愁とも感じる素晴らしい作品です。
それではまた。
阿加井秀樹