「スリー・ビルボード」

みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。


今回ご紹介する作品は先日ご紹介したシェイプオブウォーターと並びアカデミー賞最有力とされていた作品。

スリー・ビルボード

スリー・ビルボード

 

主演はフランシス・マクドーマンドが娘の復讐に燃える母親役を演じており、アカデミー賞主演女優賞にもノミネート、また助演男優賞には署長役のウディ・ハレルソン、因縁深い警察官役のサム・ロックウェルもノミネートしています。

 

娘が非業の死を遂げたのにもかかわらず、警察の捜査は難航していました。そのことに憤りを覚えた母親のミルドレッドは、街の片隅にある3枚の看板に警察に対する抗議の文章を掲載します。それに対して警察や地元住民からの怒りの声もあり、ミルドレッドは徐々に孤立していくことになります。

 

人は鏡という言葉があります。過激な行動には過激なリアクションが返ってきます。さらに腹を立てて過激さを増せば、膨らんだ利子付きでまた返ってきます。スリー・ビルボードでは、ひとつの事件をキッカケにして、この負のスパイラルに罪のない人たちが大きく傷ついてしまいます。

 

罪があるのは犯人だけであるのに、被害者遺族やその周りの人々が必要以上にボロボロに人生を壊され、当の犯人はどこかでゆっくりお風呂に浸かっているかも知れません。

 

現代社会の闇を切り取った作品に魂が震える一本です。ぜひ見てみてください。

 

それではまた。

阿加井秀樹