ルネ・ラリック

みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。ルネ・ラリックはご存知でしょうか。

ルネ・ラリックといえば、ガラスです。繊細な香水瓶や花瓶に壺…。

色鮮やかな作品を得意とするエミール・ガレとは好対照を成し、共に人気の高いガラス作家の一人です。それを知るには手っ取り早く鑑賞するに限ります。

箱根ラリック美術館」に多くの作品が所蔵されているのですが、優美で有機的な曲線に彩られたアール・ヌーヴォージュエリーは見ていて心が躍ります。ジュエリーと言えば宝石がたくさんでキラキラしているというイメージを覆す、所謂モダン・ジュエリーの先駆けと言われる独創的なものを多くデザインしています。

女性、動植物や昆虫といった自然の形態をそのままデザインに生かし、ジュエリーという小さなキャンバスに空間と動きを生み出し、宝石以外の素材を積極的に取り入れた…これだけでもラリックの凄さの一端がわかると思います。

しかし、ラリックの魅力はそれだけではないのです。ちょっと変わった物を見に着けたいわ!というパリの貴婦人達の声に応えるかのような、独創的なものも作っています。例えば「胸飾り『蜻蛉の精』」。

胸から上は女性の姿ですが、腕や下半身はなんと蜻蛉の形をしています。

一見、遠くから見たら冴えた緑が美しい蜻蛉だと思うでしょう。

でも近づいてみると、実は妖精だった、なんて心憎い演出です。色などはとても装飾的でありながら、女性や蜻蛉の造形にはとても忠実なので、なんだか不思議な感じもします。一体どんな服に飾ったらいいのでしょう。

皆さんは、どんな洋服にこれをつけてみたいですか?ラリックのデザインするジュエリーは、一緒に着る洋服までも想像して見てみると楽しさ倍増です。

優美で繊細なラリックのジュエリーの数々、機会があったら是非鑑賞してみてください。

それではまた。阿加井秀樹です。

「エジソンズ・ゲーム」

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みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

 

今回ご紹介する作品は「エジソンズ・ゲーム」という作品です。

 

この作品は以前紹介したエニグマの主人公ベネディクト・カンバーバッチが主演を務めるほか、マイケル・シャノントム・ホランドニコラス・ホルトらが出演しています。

 

舞台は19世紀アメリカ。白熱電球の生みの親といわれているトーマス・エジソンアメリカ全土の電気供給の利権を争う話です。

 

当時エジソンは送電には直流が適していると考えていました。だが実業家のウェスティングハウスは交流の方が安価で遠くまで電気を送れるとして交流式送電の実演会を開いて成功までさせます。

 

それを知ったエジソンは知識を盗んだと主張して世論を誘導させようとします。事実この戦いに勝ったのは現在の送電システムを考えると一目瞭然なのですが展開もはやくあっという間に時間が過ぎていった印象です。

 

形容するとすればこの作品は歴史を振り返って学ぶビジネスゲームといったところでしょうか。発明家としてのエジソンの魅力もありますがメディアを利用したイメージ戦略を用いて対抗していく様はやはり天才的です。

 

そしてエジソンウェスティングハウスを支える脇役の存在二コラテスラやエジソンの右腕のインサルにもスポットライトが当たって渋い立ち回りをしてくれています。電流を制する者が未来を制す。

 

このセリフは実際に作品を見ながら聞くと痺れます。プライドと情熱が交差するこの戦いぜひ一度見てみてください。

 

それではまた。阿加井秀樹です。

百武兼行

みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

今回は、百武兼行のご紹介です。百武兼行は、美術史においてはあまり有名ではないものの、実はこの兼行、日本人で初めて洋画の裸婦像を制作した人物として知られています。

彼は役人として幾度となく海外へと赴きますが、その仕事の合間に熱心に西洋画の技術を学んでいきます。兼行3度目の海外赴任は、1880〜1882年に駐イタリア大使となった鍋島直大随行してローマに赴いたもので、熱心な兼行は外務書記官としての公務の合間に、街に借りたアトリエで西洋画の技術指導を受けながら制作を行います。

様々な技術を習得しながら自分の制作を行っていた兼行がこの頃手掛けたのが裸婦像の「臥裸婦」でした。

これが日本人が初めて油絵で描いた裸婦像と言われるものです。

彼の作品はどれも写実的で、陰影をはっきりとつけたクラシックな技法が取られ、後の日本に印象派の風が吹く以前の貴重な作品となっています。

彼の作品は全国に点在しており、歴史を流れを感じることの出来る作家の1人として、一度はお目に掛かりたい作品たちです。

それではまた。阿加井秀樹

「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」

映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語 ...

みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

 

今回ご紹介させていただく作品は6月12日に公開された「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」という作品です。

 

この作品はルイザ・メイ・オルコットの自伝的小説「若草物語」を実写化したドラマです。

 

南北戦争時代に力強く生きるマーチ家の4姉妹が織りなす物語を、作家志望の次女ジョーを主人公にみずみずしいタッチで描がかれています。

 

しっかり者の長女メグ、活発で信念を曲げない次女ジョー、内気で繊細な三女ベス、人懐っこく頑固な末っ子エイミー。女性が表現者として成功することが難しい時代に、ジョーは作家になる夢を一途に追い続けていました。

 

性別によって決められてしまう人生を乗り越えようと、思いを寄せる隣家の青年ローリーからのプロポーズにも応じず、彼女は「結婚したらおわり」とまで言い切ります。

 

このシーンは女性の強さが垣間見えるワンシーンの一つだと思います。今年度アカデミー賞にもノミネートされた作品です。

 

4人それぞれの個性が色濃くでていて、この作品は結婚前の女性にぜひ見てほしい一本だと思いました。過去にもこの作品は映画化されているようで、その時代を彩る女優が出演していることもあり、そのあたりも一つの見どころです。

 

それではまた。阿加井秀樹

 

「みかんの丘」

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みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

今回ご紹介する作品は、みかんの丘という作品です。

本作品は戦争の不条理さを物語る作品となっており、人情を学べる作品となっております。

エストニアジョージアの合作映画で、みかん畑で働く2人のエストニア人が敵同士の傷ついた兵士を看病する姿を通じ、戦争の不条理さを描いています。

舞台はアブハジア自治共和国エストニア人集落です。

この集落ではみかん栽培が盛んだったが、ジョージアアブハジア間の紛争により、多くの人が帰国してしまったのでした。

しかし、みかんの収穫が気になるマルゴスと、みかんの木箱作りのイヴォの2人は集落にとどまっていました。

ある日、マルゴスとイヴォは戦闘で負傷した2人の兵士を自宅で介抱するのです。

1人はアブハジアを支援するチェチェン兵、もう1人はジョージア兵で、彼らはお互い敵同士だったのです。

同じ家に敵兵がいることを知った兵士たちは殺意に燃えるが、イヴォは家の中では戦わせないことを告げ、兵士たちは戦わないことを約束しました。

数日後、事実上アブハジアを支援するロシアの小隊が集落にやってきたのでした。

その後、マルゴスの家も戦火で燃やされ、二人の兵士は次第に戦争への意味を見いだせない状況に陥っていくのでした。

2016年に劇場公開された本作はアカデミー賞ゴールデングローブ賞外国語映画賞にノミネートされたほか、世界中の映画祭で多くの賞を受賞しました。

戦争の不条理さや人情を描いたヒューマンドラマのような本作は戦争や命の尊さを考えさせられる作品となっております。

ぜひ一度見てみてはいかがでしょうか。

それではまた。阿加井秀樹