陰謀という作品をご紹介します。

みなさんこんにちは

阿加井秀樹です。

今回ご紹介する作品は、陰謀という作品です。

本作品はジェームズ・アンソールの作品で一説では結婚式を絵画として描いた作品と言われています。

アンソールは1880年代半ば以降、仮面や骸骨に代表されるグロテスクな主題を描くようになります。レンブラントの銅版画、北斎の浮世絵、初期のフランドル美術、イタリアの仮面劇コメディア・デラルテなどを探求し、独自の世界観を確立していきます。

そんな彼が描いた陰謀は、アンソールの妹マリエットが実家の土産物屋に出入りしていた卸業者の中国人と結婚し、1年で離婚したことに基づいて描かれたと推測されています。画面中央のシルクハットをかぶった人物が結婚相手の中国人で、その隣で飾りのついた帽子をかぶっているのが、新婦のマリエットです。

アンソールの描く仮面は、グロテスクで不気味である一方、どこかユーモラスで憂いをたたえているようにも見えます。カーニバル用の仮面や東洋の骨董など、アンソールの作品のモチーフは、実家の土産物店で売られていたものから多く取られています。

ベルギー近代美術と言われる彼の作品はグロテスクな表現が多く本作品も彼らしい一作となっております。
本作品は現在ベルギーで保管されているものの日本でも何度も公開されている作品となりますので機会があれば観賞してみてはいかがでしょうか。

それではまた。

阿加井秀樹