オランダの「ワッデン海」

みなさんこんにちは。

阿加井秀樹です。

今回ご紹介する世界遺産はオランダの「ワッデン海」です。

2009年に登録された自然遺産です。ワッデン海はオランダからドイツを経てデンマークに広がる北海の水域面積およそ一万㎢と海岸線約500㎞の湿原の干潟です。

世界遺産登録以前の1978年から、3国はワッデン海の保護と保存のため協力しています。人の手が入らず、自然のままの沿岸には、時間・季節によって様々な生態系が存在し、年間1千2百万種類もの渡り鳥が通過。オランダでもゼニガタアザラシが見られる海岸としてよく知られています。
海といっても遠浅の海となっており、干潮と満潮の周期がおよそ6時間毎に繰り返される環境にあるため、干潮時には遠い沖まで、海の中を歩いて行くことができます。こうした類まれなる環境は、豊かな自然を生み出しました。潮の満ち引きで絶えず栄養分が生み出される海には、無数の微生物をはじめ、魚介類や鳥類、昆虫、哺乳類など、多種多様な生態系の世界が広がっており、こうした環境そのものが、世界遺産に登録される理由でもあります。
ほかにも大型の哺乳類はイルカやアザラシ等も生息しており、浅瀬から出発するフェリーツアーでは、運が良ければ何匹ものアザラシが浜辺で日光浴を楽しんでいる様子を、遠巻きに観察することができますよ。世界遺産に登録されるにふさわしいワッデン海の豊かな生態系は、地球環境について考えずにはいられません。
それではまた。
阿加井秀樹