「アングスト 不安」
みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。
今回ご紹介する作品は「アングスト 不安」という作品です。この作品は今まで見てきた作品の中でも最も異端で衝撃を受けた作品の一つです。
1980年にオーストリアで実際に起こった殺人鬼ベルナークニーセクによる一家惨殺事件を映画化したノンフィクション映画になります。
この作品はオーストリアで公開されましたが即公開が取りやめられる程の異常な作品としても知られていますが、37年の時を経て、今回日本でも公開が決まりました。主演の俳優もかなり狂気じみていて映像に見入ってしまいます。
事実の話であるがゆえに引き込む要素がたくさんあり、題材となっている人物の複雑な家庭環境や大人たちによる体罰、性的行為の強要など精神が根本から歪んでしまうほどの材料は多くあります。
この作品では人間の根っこにある悪や狂気が倫理や自制心という壁を越えていて、世界各国で上映されても問題作扱いされていました。
イタリアの詩人ダンテによる長編叙事詩「神曲 地獄篇」より、「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」という一節が冒頭に映し出される場面から始まります。
まさに、この作品を見終わった後はどこか精神的にかなりの疲労感を感じます。ホラー映画とは形容し難く、カオスと表現するのが最も近い表現の作品でもあります。
おもしろいことに予告でも注意書きで見るものに取り返しのつかない心的外傷を及ぼす危険性があるため、この手の作品を好まないかた、心臓の弱い方はご遠慮くださいますようお願いします。
自己責任において覚悟してご来場ください。という表現をするほどです。ある意味グッとくる作品ですね。
それではまた。阿加井秀樹