陰謀という作品をご紹介します。

みなさんこんにちは

阿加井秀樹です。

今回ご紹介する作品は、陰謀という作品です。

本作品はジェームズ・アンソールの作品で一説では結婚式を絵画として描いた作品と言われています。

アンソールは1880年代半ば以降、仮面や骸骨に代表されるグロテスクな主題を描くようになります。レンブラントの銅版画、北斎の浮世絵、初期のフランドル美術、イタリアの仮面劇コメディア・デラルテなどを探求し、独自の世界観を確立していきます。

そんな彼が描いた陰謀は、アンソールの妹マリエットが実家の土産物屋に出入りしていた卸業者の中国人と結婚し、1年で離婚したことに基づいて描かれたと推測されています。画面中央のシルクハットをかぶった人物が結婚相手の中国人で、その隣で飾りのついた帽子をかぶっているのが、新婦のマリエットです。

アンソールの描く仮面は、グロテスクで不気味である一方、どこかユーモラスで憂いをたたえているようにも見えます。カーニバル用の仮面や東洋の骨董など、アンソールの作品のモチーフは、実家の土産物店で売られていたものから多く取られています。

ベルギー近代美術と言われる彼の作品はグロテスクな表現が多く本作品も彼らしい一作となっております。
本作品は現在ベルギーで保管されているものの日本でも何度も公開されている作品となりますので機会があれば観賞してみてはいかがでしょうか。

それではまた。

阿加井秀樹

阿加井秀樹が紹介する一本 ゲットバック

みなさんこんにちは。

阿加井秀樹です。

 

今回ご紹介する作品は「ゲットバック」です。

 

本作。ニコラス・ケイジ主演、サイモン・ウェスト監督という、

コン・エアーのコンビによるサスペンス・アクションです。

 

娘を誘拐された男が、12時間以内に10億円の身代金を用意せよという犯人からの無謀な要求をのんでまで、

娘を助け出そうと奔走する姿が描かれる作品となっております。

 

主人公の娘を演じるのは、期待の新鋭サミ・ゲイルです。

 

銀行強盗の罪で服役していたウィルは出所したその日に娘を何者かに誘拐されます。

 

誘拐犯の要求は、ウィルが8年前に起こした銀行強盗の後に消失した10億円を12時間以内に引き渡せというものだったのです。

 

彼は身代金を揃えるため、無謀な銀行強盗を計画します。

 

だが、仲間の裏切りに遭い、警察に追われながら、娘と犯人を探し出そうとします。

 

屈指の銀行強盗だった男が1つの失敗から逮捕され、

出所したら昔の仲間に娘を誘拐され、それを取り戻すという物語です。

 

ニコラス・ケイジ&サイモン・ウエスト監督作にしては派手な見せ場も少なくはなりますが、小気味良い展開なのですっきりと見ることができるとおもいます。

 

こういったふと映画が見たいと思った際に鑑賞できる映画の存在も、

今さらながら重要だと思います。

 

作品の時間も長編のものではないのでサクッと見られる作品となっております。

 

是非いかがでしょうか。

 

 

それではまた。阿加井秀樹

叛逆天使の墜落という作品をご紹介します!

みなさんこんにちは

阿加井秀樹です。

 

今回ご紹介する作品は、叛逆天使の墜落という作品です。

本作品はピーテル・ブリューゲルの作品で、ヒエロニムス・ボス風の作品を求めるパトロンの要望より描かれたと考えられる作品群の魔女フリート、死の勝利の一つで、豊かな色彩が用いられております。

本作品は、ヨハネの黙示録における、大天使ミカエルに率いられる天使たちにより、ルシファー率いる反逆天使たちが天界から追放されるエピソードが画題となっております。

上方に光の大きな輪があり、そこから下方に向かって半獣の形で表現された反逆天使たちが落下しています。

中央には大天使ミカエルが描かれ、彼が率いる天使たちは、怪物とも見える反逆天使たちと戦っております。

ブリューゲルは、本作品に見られるような善悪の戦いを画題とし、繰り返し作品を制作しております。なお、彼の生きた時代においては、天国と地獄、天使と悪魔のような宗教的なテーマは今に比べると非常に身近なものでした。現在は、ベルギー王立美術館の所蔵されております。

約10年という年月をかけて描いた本作では、天使と堕天使の戦いが大きなテーマとして掲げられており、作品から伝わる入り組んだ天使と堕天使が見受けられます。

しかしながら宗教的な意味もあるのでしょうか、天使の優位性が見て取れます。機会があれば観賞することをお勧めします。

それではまた。

阿加井秀樹

心に沁みる一本 ラスト・ボディガード

みなさんこんにちは。

 

阿加井秀樹です。

 

今回ご紹介する作品は

 

「ラスト・ボディガード」

 

です。

 

本作は、2015年フランス,ベルギー映画です。

PTSDに悩まされて軍隊を離れている軍人のヴァンサンが、

友人に紹介されて豪邸に住む一家の警備の仕事をします。

 

主人のワリード、妻ジェシーと幼い息子アリの3人が暮らしていて、

何不自由もない幸せな家庭の一夜に見えましたが、

ヴァンサンはワリードが怪しげな人物と揉めているのを目撃し気になります。

 

その一方で、ジェシーの華やかな美しさに惹かれていきます。

 

パーティーが終わって帰り支度をしていると、

主人のワリードが留守にするから屋敷に泊まって妻子を護衛してほしいと頼まれます。

 

最初は乗り気じゃありませんでしたが、

引き受けるヴァンサンはワリードが何をしているのか気になりつつもジェシーを守ることを決意しました。

 

ジェシーに子供とビーチに行くから送ってほしいと言われ、車の運転をします。

 

しかし、次第に体調が悪くなり、朦朧としつつも何とか運転していると、

後ろから不審な車が追ってくるのに気が付きます。

 

車から逃げるために突然スピードを上げて危険な運転をするヴァンサンに驚くジェシーに止めてと何度も言われますが止めなかったため、

助手席に行くように言われてしまいます。

 

ジェシーが運転してビーチに着きますが、

不審な男が何人かいるのを確認するヴァンサンは自宅へ戻ろうと車に乗ったところで、覆面をした男達に窓ガラスを割られて襲われてしまいます。

 

ヴァンサンは負傷するもジェシーとアリを助けますが、男達に逃げられます。

 

気になり調べていたワリードは武器商人であることを知りました。

 

幾度となく襲撃されるジェシーたちを守ることができるのか、

そしてヴァンサンの恋心はどうなるのか気になる作品です。

 

ラブサスペンスのなかでもアクションよりの本作は激しいアクションシーンなどが見どころになっております。

 

それではまた。阿加井秀樹

イカロスの墜落のある風景をご紹介

みなさんこんにちは。

阿加井秀樹です。

今回ご紹介する作品はイカロスの墜落のある風景という作品です。

巨匠ピーテル・ブリューゲル初期の代表的な作品であるイカロスの墜落のある風景は、古典神話を題材とした現存する画家唯一の作品としても知られる作品となっております。本作に描かれるのは、オウィディウスの転身物語より、クレタ島の王ミノスに仕えた伝説的な名工ダイダロスが、自身の裏切りによってミノス王に捕らえられている息子イカロスの救出を目論み、息子イカロスに蝋と羽で拵えた翼を与え空から脱出を試みるも、脱出途中で興奮した息子イカロスが空高く舞い上がったために太陽の熱で蝋が溶け、海へと墜落して死してしまうイカロスの墜落の場面で、イタリアでの修行からの帰国直後頃に描かれたと考えられております。本作で墜落するイカロスの扱いは非常に小さく、画面右部の帆船の下に下半身だけが描かれ、画面の大部分は農耕に従事する民の姿とブリューゲル初期様式の特徴である高位置の視点による風景描写によって占められていることや、構成はほぼ忠実に転身物語の記述に従い描かれています。しかしながら、水平線に近い低い位置に描かれる太陽には相違が認められます。また一部からは、老農民の姿に人が死しても、鋤は休まぬというネーデルランド地方に伝わる諺の解釈が指摘されております。イカロスとダイダロスの話は有名ですが、違った角度から観賞できる本作は当日の背景や、ブリューゲルの印象をくみ取れる作品となっております。現在は、ブリュッセルのヴァン・ブレン美術館にございますので、機会があれば観賞することをお勧めします。

それではまた。

阿加井秀樹